家畜共済
対象となる家畜
- 牛
出生後第4月の月の末日を経過したもの(出生後第4月未満の子牛及び授精等の後240日以上の胎児を含む)
- 馬
出生の年の末日を経過したもの
- 種豚
出生後第5月の月の末日を経過したもの
肉豚
肉豚を群単位で引受ける方式(一般肉豚)については、出生後第20日の日(その日に離乳していない場合は離乳した日)から出生後第8月の月の末日までのもの
肉豚を一括して農家単位で引受ける方式(特定肉豚)については、共済掛金期間満了までのもの
加入できるのは
牛、馬、種豚及び肉豚を飼育、養畜の業務を営む農業者です。
対象となるのは
死亡廃用共済
- 牛(子牛含む)、馬及び種豚の死亡(と殺等※1を除く)廃用※2。
- 牛の胎児及び肉豚の死亡(と殺等※1を除く)
疾病傷害共済
- 牛(子牛含む)、馬及び種豚の疾病及び傷害。(牛の胎児を除く)
※1 | 家畜伝染予防法による手当金等により家畜伝染予防法の規定による評価額について満額補償される場合は、共済事故の対象とはなりません。 |
※2 | 共済事故の対象となる「廃用」は、疾病や傷害によって死にひんした状態になるなど家畜として使用する価値がなくなったことによる廃用です。(老齢等、能力低下により単に使用価値を失った家畜の廃用は対象に含まれません。) |
補償される期間は
掛金納入の翌日から1年間です。ただし、特定肉豚以外の肉豚(包括共済)は、群ごとに出生後第20日の日から出生後第8月の月の末日までとなります。
長野県は共済責任開始の日を月の2日に統一しています。ただし、導入した場合は導入した日となります。
補償の主な内容は
家畜共済では、「包括共済」と「個別共済」の2種類があり、それぞれに「死亡廃用共済」「疾病傷害共済」があるために4種類の加入方式があります。
ア 包括共済関係
次に掲げる包括共済家畜区分ごと
<包括共済家畜区分>
対象家畜 | 包括共済家畜区分 | |
---|---|---|
死亡廃用共済 | 疾病傷害共済 | |
満24月齢以上の乳牛の雌であって搾乳の用に供されるもの | 搾乳牛 | 乳用牛 (子牛選択あり・なし) |
満24月齢未満の乳牛の雌 | 育成乳牛 (子牛等選択あり・なし) |
|
牛の胎児のうち乳牛であるもの | - | |
満24月齢以上の肉用牛の雌であって繁殖の用に供されるもの | 繁殖用雌牛 | 肉用牛 (子牛選択あり・なし) |
搾乳牛、繁殖用雌牛、育成乳牛及び種雄牛以外の牛 | 育成・肥育牛 (子牛等選択あり・なし) |
|
牛の胎児のうち乳牛でないもの | - | |
満36月齢以上の馬の雌であって繁殖の用に供されるもの | 繁殖用雌馬 | 一般馬 |
繁殖用雌馬及び種雄馬以外の馬 | 育成・肥育馬 | |
種豚 | 種豚 | 種豚 |
肉豚 | 肉豚 | - |
イ 個別共済関係
次に掲げる家畜1頭ごと
(ア)種雄牛(12歳以下のもの)
(イ)種雄馬(明け17歳未満のもの)
- 肉豚については飼養区分(導入日を同じくする等の飼養群の単位)ごとに引き受ける群単位引受方式と農家単位に年間一括で引き受ける農家単位引受方式があります。
- 牛の胎児と肉豚は疾病傷害共済には加入できません。
共済価額について
死亡廃用共済
- 包括共済は加入者が飼育している家畜区分ごとの価額を合計したものとなります。(肉豚については、農家ごと及び飼養区分ごとに飼育している肉豚の価額の合計になります。)
- 個別共済は個々の家畜の価格となります。
※共済価額については期首の資産価値で補償されるもの(固定資産的家畜)と事故発生時の資産価値で補償できるもの(棚卸資産的家畜)に分かれます。
固定資産的家畜 | 棚卸資産的家畜 | |
---|---|---|
牛 |
|
|
馬 |
|
|
豚 |
|
※肉豚の群単位引受方式の場合は、飼養区分ごとの共済掛金期間開始時に飼養している肉豚の価格を合計したものです。
疾病傷害共済
- 包括共済は加入者が飼養している家畜区分ごとの価額を合計したものに一定の率を乗じたものとなります。(支払限度額)
- 個別共済は個々の家畜の価額に一定の率を乗じたものになります。(支払限度額)
共済金額(補償金額)について
共済金額とは、共済事故による損害が生じたとき農業共済組合が支払う共済金の限度額で、加入者が決定するものです。
死亡廃用共済
- 20%~80%の範囲内で申出た金額(肉豚については40%~80%の範囲内)
疾病傷害共済
- 支払限度額を上限に申出た金額
共済掛金(農家負担共済掛金)について
共済掛金の約2分の1(豚は5分の2)は国が負担します。
- 共済掛金
- =
- (
- 共済金額
- ×
- 共済掛金率
- )
- -
- 国の負担額
共済金の支払いについて
共済金は、共済掛金期間内に発生した共済事故によって、加入者が被害を受けたときに、その損害の程度に応じて支払われます。
死亡廃用共済
家畜が死亡または廃用になった場合に支払われる共済金
- (
- 事故家畜の価額
- -
- 残存物価額等
- )
- ×
- 共済金額
共済価額 - =
- 共済金
(注)1 「残存物価額」は、廃用家畜の肉、皮等から得られる収入です。
(注)2 上の式において、共済金の計算に用いる「残存物価額」は、事故家畜の価額の2分の1を限度とします。
(注)3 上の式により算定される共済金の額が純損害額(加入者の損害額)を上回る場合は、純損害額が共済金として支払われます。
共済金の支払例
牛5頭(家畜の価額はそれぞれ40万円、40万円、30万円、10万円、10万円)で加入し、共済価額は130万円、共済金額65万円を選択。価額40万円の牛の廃用事故が起き、残存物価額が10万円であった場合、以下の共済金が支払われます。
- (
- 事故家畜の価額
400,000円 - -
- 残存物価額
100,000円 - )
- ×
- 共済金額
650,000円
共済価額
1,300,000円 - =
- 共済金
150,000円
疾病傷害共済
家畜の疾病又は傷害の診療費に対する共済金
診療内容に応じて、農林水産大臣が定める診療点数により算出された額が共済金となります。なお、初診料は共済金の支払い対象にはなりません。(2020年1月以降開始する共済責任期間からは、診療費全体(初診料含む)の1割が自己負担になります。)
注意
(死亡廃用共済)
過去に事故が多かった農家については、農家ごとに支払限度額が設定され、特定事故以外の一般事故については、支払限度額の範囲内で共済金が支払われます。
(疾病傷害共済)
共済金額を限度として支払われます。
お支払いできない被害
- 加入以前の疾病・傷害及びそれが原因で生じた事故
- 飼養管理が悪くて事故になったとき
- 診療を受けず、自分の不注意で事故になったとき(突発事故をのぞく)
- 損害防止のために獣医師から受けた指導を守らなかったとき
こんな時は通知してください
- 死亡廃用共済
- 著しい頭数の変更があったとき
- 疾病傷害共済
次のような頭数の変更があった場合は、変更があった日から2週間以内に通知してください。- 加入していなかった共済目的の家畜を飼養することとなったとき
- 著しい頭数の減少があったとき